みなさん、こんにちは!きくたまchのたまごです。
今年の夏も吹奏楽コンクールが開催されますが、みなさんの学校では課題曲は何番か決まりましたか?
もうすでに決まって練習を重ねている学校や団体のみなさんも多いかと思いますが、オーボエパートの解説や練習のポイントをお伝えします。
♪本記事の内容
- 課題曲の運指がわからない!
- 難しいところの練習方法は?
- 演奏で注意したいところ
- 吹奏楽コンクールにおける注意点
♪きくたまchプロフィール
- フリーランスオーボエ吹き2人組
- YouTubeにも演奏動画投稿中(現在動画130本)
- 指導経験も多数
では、早速課題曲Ⅰからみていきましょう!
長く練習する課題曲だからこそ、きちっと楽譜を読むのが大切です!
課題曲Ⅰ「やまがたふぁんたじぃ 〜吹奏楽のための〜」(杉浦 邦弘さん)
♪演奏ポイント
- とにかくテンポに乗り遅れない
- pでスタッカートの音はできるだけ短く軽く
- 140小節目のソロはテンポを意識しつつも朗々と
まず、最初はフルートのソロから始まり、緊張感がマックスだと思いますが、緊張し過ぎると口が閉まり過ぎて上手く音が出なく(リードが振動しなく)なってしまうので、mfでいい音で演奏することを心がけるといいと思います。
次に、テンポが速くなってからは、とにかくテンポに乗り遅れないように注意しましょう。
小節の頭が休符だと食いつきが遅くなってテンポがどんどん後ろ向きになってしまうので、休符でお休みしすぎないように注意です。
個人練習でもメトロノームを使って練習するのがポイントです。
中間部のModeratoは木管のユニゾンで音程と音色が合わさることを意識して、ゆったりと演奏すると良いと思います。
64小節目からのAllegroは、スタッカートのついた8分音符はできるだけ短く軽く演奏するのがポイントです。
pという音量だけ意識してしまうと、息が入らなくなってしまい音もカスカスになってしまいます。小さい音量でも速い息を瞬時に入れることで軽さも表現できます。
140小節目からのソロは、テンポに遅れないように注意しながらも、流れるように朗々と演奏するのが◎です。
間の8分休符ではブレスをとらずに、音がない空間だけ作るのも良いです。ブレスをするとテンポから遅れてしまう可能性大です。
おそらくブレスをとらなくても最後まで吹き切れると思うのでチャレンジしてみてください!
オーボエの音色がとても合っていて、良い曲です!
課題曲Ⅱ マーチ「ブルー・スプリング」(鈴木雅史さん)
♪演奏ポイント
- 替え指を覚え、使い分ける
- 基礎練習でスケールをしっかりとする
- 張り切って吹きすぎない
まず、この曲は♭が多く、替え指なしでは演奏することが困難です。
左FとフォークF、そして左Es、この3つの替え指はマスターしておくのが大切です。
そして、出てくる連符はスケールのようなものしかないので、基礎練習でスケールを取り入れ、しっかりと練習しておきましょう。そうすると曲でもサラッと演奏することができるようになります。
後半は休みがないので、fと書いてあるからと張り切って吹きすぎると曲が終わることには口も息もバテバテになってしまいます。
これはマーチあるあるなのですが、休みなしで吹きっぱなしだと自由曲の時には万全の状態で演奏できなくなってしまいますので、ペース配分を考えて演奏してください!
Lのトリルは、Asの運指で中指を動かすとAsーBのトリルができます。通常の運指だと不可能に近いので、このトリル運指を使ってください!
演奏する学校が多そうな課題曲Ⅱ!
課題曲Ⅲ ジェネシス(鈴木英史さん)
♪演奏ポイント
- リズムを正確に演奏する
- 8分音符の長さにこだわってみよう
- バテないように工夫が必要
まず、いきなり3小節目のFが早速ややこしいですね。流れで行けば通常の右Fですが、次にEs→Desと続くので、このFはフォークFで吹くのが望ましいです。
細かくアーティキュレーションが設定されていますし、アーティキュレートされていない8分音符を状況に応じてどのような長さで演奏するか考えてみてください。
音域が高めで休みも少ない曲なので、かなりバテやすいです。なので、あまり全力で吹きすぎず、音程や音色を意識して、木管楽器のバランスを重視して穏やかに演奏するのが吉ですね。
この曲も替え指は必須で、特に左Esキーが頻出します。左手小指がしんどいですが、ぜひスケール練習で少しずつ慣れていきましょう!(As-durのスケールがおすすめ!)
とても複雑な曲になっていますので、スコアをよく読むのが大事です!
課題曲Ⅳ サーカスハットマーチ(奥本伴在さん)
♪演奏のポイント
- テンポに乗り遅れない!テンポ変化を楽しんで!
- メロディの繋ぎがうまくいくように
- より軽やかに、楽しげに
この曲はマーチの中では、かなりテンポが速い曲です。
どちらかというと難しさが印象強いと思いますが、パート譜だけ見ると連符も少ないですし、合間の休みも多いので実はそんなに難しい要素はありません。
1曲の中でテンポの変化が何回もあるので、テンポの変化は差をつけてバンド内でしっかり共有しましょう。
テンポが速いこともあり、曲全体を通して軽やかに、そしてサーカスのような楽しさを表現できるように工夫してみてください。短い音はより短く、長いフレーズは流れるように、一つ一つの音が立体的に聞こえるのが大切だと思います。
最初のFーGのトリルは、右手全てを動かす必要はありません!人差し指と中指、または人差し指だけでも問題ないかもしれません(その場合は、Gの音程を確認してみてください)。
また60小節目のGesーAsのトリルは、Asのキーは押さえっぱなしでできますのでお試しください!
難しそうだけど意外と楽に楽しく演奏できます!
課題曲の押さえるべきポイント
吹奏楽コンクールにおける課題曲は、減点されないことが大事です。
減点されやすいポイントは、
- 音程の乱れ
- タイミングのずれ
- リズムや音価の正確さ
- バンドのバランス
などが挙げられます。
音程の乱れ
音程の乱れは、一番わかりやすく、そのため一番指摘しやすいポイントです。
なので、減点対象になりやすく、演奏自体も不安定になってしまうので、音程はきっちり合わせたいところです。
小編成の曲だと特にユニゾンのフレーズが多いと思うので、各個人が音程チェックをした上で、パート、セクション、合奏と人数が増えても音程が乱れないようにしたいですよね。
タイミングのずれ
よく、縦がズレる、とか言いますが、それです。
音が出るタイミングがズレるのは、まずブレスのタイミングやスピードがバラバラだと起こりやすいです。
音を揃えるのではなく、その前のブレスを揃えるということをまず徹底してください。
リズムや音価の正確さ
リズムや音価も指摘されやすいポイントですね。
リズムはより正確に読むようにしてください。課題曲はリズムが簡単そうできっちりやろうと思うと難しいところが結構あります。
また、音の長さ(=音価)を揃えることを意識してください。音の出だしは意識することが多いですが、音の長さや処理の仕方が音の響きに与える影響はとても大きいです。
音の長さは同じ音符でもニュアンスや曲の雰囲気などで変わってくるので、バンド全体で認識を合わせておきましょう!
バンドのバランス
それぞれが正確に吹けても、バンド全体のバランスが悪く、メロディーが聞こえない、打楽器が大きすぎる、などバランスが崩れてしまうと印象が悪くなってしまいます。
大きな会場で聞いたり、録音するなどして、客観的に聞くようにしてみましょう。
まとめ:課題曲は丁寧に正確に
課題曲はバンドの個性を出すよりも、より楽譜通り正確に丁寧に演奏できているかが大切だと思います。
奇をてらったことをしてしまうと、審査員の好みが別れて点数の幅が広がってしまい、結果あまり良い結果にならないことが多いです(好みの問題になってしまいます)。
その分自由曲では、各バンドの個性を存分に発揮して、バンドの色を表現するのが良いですよね。
いろんな工夫が施せると思います。
そうすると課題曲と自由曲の印象も変わり、そのギャップも審査員には新鮮なアクセントとなって、好印象になります。
これから暑くて熱い夏がやってきます。
まずは体調管理が第一です。
室内で活動することが多いと思いますが、脱水症状などにもなりやすいので、自分の体の調子と楽器の調子をしっかりと整えながら、練習していきましょう!
みなさんが素敵な夏を過ごせますように、応援しています!
みなさんの思いが音となって届きますように!
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