フィギュアスケート宇野昌磨選手の使用曲「オーボエ協奏曲」とは?

オーボエ

みなさん、こんにちは!ついに、北京五輪が始まりましたね!

 

早速日本選手団もメダルを獲得しています。すごい!おめでとうございます!!

フィギュアスケート男子シングルスでも、なんと…

🥈銀メダル、鍵山優真選手!

🥉銅メダル、宇野昌磨選手!

4位、羽生結弦選手!

本当におめでとうございます!!

🥇はアメリカのネイサン・チェン選手!圧倒的でしたね。

 

さてさて、前回の平昌に続いて今回の北京五輪でも活躍が注目されるのが、フィギュアスケートの宇野昌磨選手

 

私個人的にフィギュアスケートが好きなので、もっと以前から彼のことは知っていましたが、今シーズン(2021-2022)ではなんと「オーボエ協奏曲」を使用しています。

 

しかし、単に”オーボエ協奏曲”といってもたくさんありますので、今回は宇野選手が使用しているオーボエ協奏曲について解説していきます。

 

マルチェロ作曲の「オーボエ協奏曲」

作曲家・マルチェロ

宇野選手が使用しているのは、アレッサンドロ・マルチェロ(マルチェッロやマルチェルロともという)というバロック時代の作曲家が書いたオーボエ協奏曲です。

 

マルチェロ(1669〜1747年)はイタリア人の作曲家で、バロック・コンチェルトの作曲家として有名です。

このオーボエ協奏曲が一番の代表作と言っても過言ではありません。

 

第1楽章から第3楽章までの全3楽章からなり、全部を演奏すると10分くらいの長さです。

今回宇野選手が使用しているのは、その中でも一番有名な第2楽章

 

オーボエ奏者のレパートリーとしてもよく取り上げられる曲なので、どこかで聞いたことのある方もいらっしゃるかもしれません。

 

ちなみにプログラムの後半、テンポが上がったところは、オーボエ協奏曲ではありません!

同じバロック時代に活躍したイタリアの作曲家ヴィヴァルディのチェロ協奏曲ハ短調の第3楽章です。

 

フィギュアスケートでは、一つのプログラムの中で全く違う曲をメドレーにして使用することも可能です。

 

今回の宇野選手のように「オーボエ協奏曲」としてまとめて申請されることもありますし、「◯◯、他」といったように表記する場合もありますね。

 

オーボエ協奏曲とは

一般的に協奏曲と言えば、オーケストラの伴奏に乗せてソロの楽器が前で独奏をします。

 

オーボエ協奏曲はたくさん作曲されており、代表的な作曲家は、ヴィヴァルディ、モーツァルト、ハイドン、リヒャルト・シュトラウスなどが挙げられます。

 

マルチェロのオーボエ協奏曲は、伴奏が弦楽器のみで、小さなオーケストラで演奏されます。

 

フィギュアスケートにおける選曲

フィギュアスケートではさまざまな楽曲が使用されています。

編曲やメドレーあり

そもそもクラシックの曲をそのまま使用することはほぼできません。

それはなぜかというと曲の長さを合わせる必要があるからです。

 

フィギュアスケートでは、ショートプログラム(SP)が2分40秒±10秒、フリースケーティング(FS)が4分±10秒と長さが決まっています。

 

そしてその決められた時間の中で、決められた技の要素をこなしていかなくてはなりません。

 

その短い時間の中で、プログラムの抑揚をつけるために、フィギュアスケートでは曲をカットしたり、繋げたりして曲を完成させていきます。

 

いろいろなジャンル

フィギュアスケートではいろいろなジャンルの曲が使用されます。

 

オーボエ協奏曲のようなクラシック、映画音楽、ポップス、ジャズ、ロックなどなど…特に大会後に行われるエキシビションでは、本当に個性豊かなプログラムが構成され、使用される楽曲もさまざまです。

 

歌付きの楽曲が使用可能に

フィギュアスケートでは2014-2015シーズンから歌付きの楽曲が使用可能になりました。

つまり、それまでは禁止されていたということですね。

 

歌詞があることで審査員が歌詞を理解できるかどうかで採点が変化したり、歌詞によって演技本来の芸術性が明白でなくなるなどの理由があったそうですが、解禁された現在では、歌付きの楽曲でプログラムを構成する選手も多くいます。

 

ちなみに全日本吹奏楽コンクールでは、「歌詞のある歌」は今でも禁止されています。ハミング(Ah〜やUh〜など)は大丈夫なのですが、歌詞を付けて歌うことはできません。

 

これまでに使用されたクラシック曲

もちろん全部は紹介できませんので、人気のものや私個人がお気に入りのものを紹介します。

 

ボレロ(M.ラヴェル)

2022年の北京五輪では、宇野昌磨選手のFS、ロシアの15歳ワリエワ選手のFSで使用します。

 

今までも数多くのスケーターが取り上げたボレロですが、過去にサラエボオリンピック(1984年)のアイスダンスで、イギリスのジェーン・トービルとクリストファー・ディーンの組がボレロを使って芸術点で満点を出したために、その後他の選手はボレロを使用することを敬遠していたようです。

 

最近ではまた取り上げる選手が増えましたね。

 

ボレロは、フランスの作曲家のラヴェルが作曲しましたが、最初から最後までスネアドラム(小太鼓)が同じリズムを叩き続け、各楽器が同じメロディーをソロで奏で、最後のクライマックスに向けて徐々にクレッシェンドする特異な曲です。

 

ちなみに、ワリエワ選手のプログラムで最初にメロディーを演奏するのは、オーボエ・ダモーレです(本来の一番最初のソロはフルート)。

宇野昌磨選手のボレロは、かなりアレンジされていますね。

 

トゥーランドット(G.プッチーニ)

2006年のトリノオリンピックで荒川静香さんがFSで使用し、金メダルをとった曲です。

宇野昌磨選手も前回の平昌五輪のFPで使用した曲です。

 

イタリアの作曲家・プッチーニが作曲したオペラですが、オペラの舞台は中国ですので今回のオリンピックとピッタリではないでしょうか。

 

トゥーランドットというのは登場する姫の名前ですね。

 

ノクターン(F.ショパン)

浅田真央さんがソチ五輪のSPで取り上げた曲です。

ソチ五輪の真央ちゃんの演技は全世界に感動を与えたと言っても過言ではないと思います。

 

ショパンの曲はフィギュアスケートで取り上げられることが多く、羽生結弦選手も平昌五輪のSPで使用していました。

 

ポーランドの作曲家ショパンはピアノの詩人と呼ばれ、ピアノ曲を数多く残しています。

 

ショパン国際ピアノコンクールも開催され、昨年2021年には日本人2名(反田恭平さん、小林愛実さん)が入賞され、話題になりました。

 

火の鳥(I.ストラヴィンスキー)

元フィギュアスケーターの町田樹さんがソチ五輪のFSで使用したのが、ストラヴィンスキー作曲の「火の鳥」です。

赤い火の鳥を思い起こさせる衣装が印象でしたよね。

 

町田さんは、現在スポーツ科学者で国学院大学の助教授を務めてらっしゃいます。

 

火の鳥はオリジナルのバレエ音楽と、3種類の組曲がありますので、演奏会で演奏される時は曲名の後に(1919年版)といった出版年が記載されています(現在では、1919年版が一番演奏される機会が多いです)。

 

番外編:白鳥の湖(P.I.チャイコフスキー)

現在はアイスダンスの選手として活躍している高橋大輔選手が、2007〜2008年シーズンのSPで使用していた「白鳥の湖」ですが、まさかのヒップホップバージョンでした。

 

クラシック曲をヒップホップにアレンジするということでさえすごいことなのですが、それをフィギュアスケートで表現するという、衝撃のプログラムでしたね。

 

高橋大輔選手だからこそできたプログラムなのだと思います(伝説のステップ!)。

 

「白鳥の湖」は、ロシアの作曲家チャイコフスキーが作曲したバレエ音楽で、「くるみ割り人形」「眠りの森の美女」と3大バレエと呼ばれています。

 

まとめ:フィギュアスケートをきっかけにクラシック音楽も

今回は宇野昌磨選手が使用する「オーボエ協奏曲」ついて解説、またフィギュアスケートでよく使われるクラシック曲について紹介してみました。

 

もちろんクラシック曲だけではありませんし、流行りの曲だったり、映画音楽を使用して映画の世界観を表現したり、本当に表現の幅が広いです。

 

ぜひ演技とともに、曲にも注目してみてもらえると、よりフィギュアスケートが楽しめるのではないかと思います!

 

これを機に、オーボエの知名度も上がりますように(笑)

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