こんにちは、きくたまchのたまごです。
今日の動画は、ヒンケの練習曲No.3です。
ヒンケは、リードの調子を見るのにもとても良いなと感じながら、録音してみました。
版によってアーティキュレーションが結構異なるようです。
鼻抜けしてしまう方へ
さて、あなたは「鼻抜け」という言葉をご存知でしょうか?
長時間楽器を吹いていると、急に圧力がかけられなくなって吹けなくなることがありませんか?
また、鼻の辺りから「カーッ」とか「ガーッ」とか「グーッ」のような音がして、演奏をストップしなければいけないことはありませんか?
もし、そのような経験がある方は、「鼻抜け」が起きているかもしれません。
「鼻抜け」とは
「鼻抜け」とは楽器を吹いている時に、文字通り鼻から空気が抜けてしまうことです。
通常、口から息が出ている時は鼻から空気が抜けないように、鼻腔と口腔の間が軟口蓋(なんこうがい)によって遮断され、鼻から空気が抜けないようになります。
ですが、軟口蓋が鼻腔への通り道を遮断できていないと、本来口から出るべき空気が鼻へ流れてしまい、楽器に十分な空気を吹き入れることができず、演奏できなくなってしまいます。
特にオーボエはリードに息を入れるためにかなりの圧力が必要なので、鼻抜けが起こってしまうと、もう演奏を続けることはできません。
鼻抜けが起きる原因
原因は、軟口蓋を動かす口蓋帆挙筋(こうがいはんきょきん)という筋肉が疲弊することで、鼻への通り道を遮断できなくなるからです。
オーボエのように強い圧力で息を吹き込み続ける楽器では、他の楽器に比べても軟口蓋を支えている筋肉が疲れやすく、より蓋ができなくなりやすいのです。
また、循環呼吸をする人では、吹きながら軟口蓋を下ろすことになるので、鼻抜けが起こりやすいとも言われています。
※循環呼吸については次の記事で解説しますね。
対処法
もし起きてしまったら…
とにかく、鼻抜けが起こってしまったら”休む”のが第一です。
原因は筋肉の疲労なので、筋力が回復すればまたいつも通り吹くことができます。
起こる前には?
では、起こる前に対処はできないものでしょうか。
オーボエの場合はリードもかなり関係してきます。
高い圧力をかけないと鳴らないリード(重いリード、息が入らないリード)は、それだけ口蓋帆挙筋にも負荷がかかるので、早くに疲労してしまいます。
また、普段から吹く時間を確保することで、軟口蓋を動かす筋肉も鍛えられます。
ご自分の体力や普段吹く時間も、リードを選ぶ要素に入れてみましょう。
習慣化させない
鼻抜けは癖になる、と言います。
何度も起こしてしまうと、それだけ起こりやすくなってしまうのです。
できるだけ、起こる前に察知して、休息をとるように意識すると良いと思います。
手術を受ける
鼻抜け防止のための咽頭弁(いんとうべん)形成術という手術もあります。
しかし、鼻への通り道を狭くする手術なので、いびきがうるさくなったり、睡眠時無呼吸症候群になったりと、日常生活にも支障が出るようなので、楽器を吹くためだけに手術をするというのは考えものです。
器具をつける
軟口蓋挙上装置という器具を製作しているお医者様もいらっしゃいます。
器具によってあらかじめ口蓋帆挙筋を上げてあげることで、付けていない時よりも少ない筋力で通り道を遮断できるようになります。
楽器を演奏する時のみ付けることができ、普段は外すことができます。
※参照:舘村歯科クリニックTOUCH口腔機能回復室(http://touch-clinic.jp/474890876)
まとめ
今日は、楽器を演奏する時の「鼻抜け」について解説しました。
オーボエという楽器は特に圧力がかかってしまうので、鼻から空気が抜けやすいのです。
最初のうちは、鼻抜けが起こっても”鼻抜け”ということを知らないがために、何で吹けなくなるんだろう?と不安になってしまうかもしれません。
まずは、「鼻抜けが起こっている」という事実を認識することが大事ですね。
そして、もし起こってしまったら、楽器を置いて休憩しましょう。
無理して練習を続けた結果鼻抜けしてしまうと、余計に練習ができなくなってしまいます。
休憩を取るのも練習の一環です。
その時の体調にもよると思いますし、自分自身の体を見つめ直し、日々自分に合ったリードを選択しながら練習を進めていきましょう。
これがオーボエの難しいと言われる原因かもしれませんね(笑)
鼻抜けとも関連して、オーボエを楽に吹くには?というテーマでも記事を書いています。
こちらも参考にしてみてください(この記事でも最後には自分に合ったリードを使いましょう、と締め括っていますが…笑)
それでは!
きくたまch
たまご
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